睡眠の質を上げる食べ物は?睡眠の質向上や疲れに効く食べ物・栄養を紹介

「睡眠の質を上げる食べ物ってないかな?毎日残業で、寝ても疲れが抜けにくい…」

「ストレスが溜まっているからか、寝ている間に目が覚める!肌荒れが気になるから睡眠の質を上げる食べ物があるなら知りたい」

目まぐるしく忙しい日々を過ごすなかで、このような悩みを抱える方は多いでしょう。

本記事では、睡眠の質を上げる食べ物についてお伝えします。

睡眠の質向上や疲れに効く食べ物・栄養を紹介しますので、ぜひご覧ください。

睡眠は時間より質ってほんと?なぜ睡眠は質が重要なのか?

睡眠の時間と質は、両方とも充実させることが大切です。

しっかり睡眠時間を確保しても、質が悪ければ疲れはなかなかとれません。
以下のように、睡眠の質向上は体調へ好影響をもたらします。

  • 疲れが出にくくなる
  • ホルモンバランスが良好になる
  • 自律神経が整う

たとえば良質な睡眠によってホルモンバランスを良好に保てると、肌の状態が整い、髪もツヤが出て美しくなります。
自律神経が整えば「風邪を引きやすい」「なんだかイライラする」といった、体調不良に陥りにくくなるでしょう。
しかし睡眠の質だけを重視して、短時間睡眠で問題ないかといえば、そうでもありません。

実は、日本人の睡眠時間は平均7時間22分と、世界33カ国の先進国の中では世界一短いことがわかっています。(出典:厚生労働省「良い目覚めは良い眠りから知っているようで知らない睡眠のこと」)

睡眠の質を上げるだけでなく、最低7時間、できるなら8時間を目安に睡眠時間を確保していただきたいですね。
ただし、睡眠時間は長すぎてもよくありません。

普段から毎日十何時間以上とっても体調不良を起こしやすいことが研究でわかっていますので、睡眠のとりすぎにも注意が必要です。

もちろん睡眠不足の方がしっかり寝ることは問題ないので、安心してくださいね。
睡眠の時間と質、どちらも良好に保てるように意識していきましょう。

睡眠のメカニズム

睡眠のメカニズムを一言でいうならば、メラトニンというホルモンが分泌されると、睡眠が誘発されます。

メラトニンは、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンが体の中で代謝されてできたホルモンです。
さまざまな視点はありますが、シンプルにお伝えすると「夕方から夜にかけてメラトニンの分泌量が増えるので、睡眠が誘発されて眠くなる」というしくみですね。

睡眠には食事が影響する?

食事は睡眠の質に、ものすごく影響します。

寝ることに対して、ただなんとなく眠くなるというイメージしかない方も多いでしょう。
実際は、睡眠には多くの栄養が必要です。

以下の図を見てください。

メラトニンは肉や魚などのタンパク質に含まれるアミノ酸、トリプトファンからつくられます。
ただしトリプトファンは、すぐにメラトニンになるのではありません。

セロトニンを含む、さまざまな物質に代謝されながら、最終的に睡眠を誘発するメラトニンになります。

この代謝される過程のなかで、鉄やビタミンB6・マグネシウムなど、あらゆる栄養素が欠かせないのです。

たとえば鉄が足りなければメラトニンが分泌されず、「夜遅くまで起きてしまう」「全然眠れない」といったことが起こり、眠れたとしても質が落ちます。
鉄不足によってメラトニンだけでなく、そもそもセロトニンもつくれないため、精神的に安定しにくくイライラしやすい状態になります。

女性はとくに鉄が不足しやすいので、注意が必要といえるでしょう。

また最近の研究では体に必要なビタミンB6の86%の合成に、腸内細菌が関わっていることもわかっています。
腸内細菌バランスを整える意識も、睡眠を良好にするには大切ということですね。
このようにメラトニンの合成には多くの栄養素が欠かせないため、睡眠の質を確保するには食事に気をつけましょう。

以下の表に、各栄養素を多く含む食材についてまとめましたので、参考にしてください。

タンパク質

・卵
・魚全般
・鶏肉
・豆腐
・レバー
・赤身の牛肉

・レバー
・お肉
・お魚
・全粒穀物
・葉物野菜
・貝類

ビタミンB6

・レバー
・カツオ
・とり肉
・魚
(とくにイカがおすすめ!)

マグネシウム

・全粒穀物
・マメ
・ナッツ
・海藻
・葉物

睡眠の質を上げる食事のポイント

続いて、睡眠の質を上げる食事のポイントを2つ見ていきましょう。

  • 寝つきが悪い/眠りが浅いとき
  • 疲れがとれないとき

順番に解説します。

寝つきが悪い/眠りが浅いとき

寝つきが悪いときや眠りが浅いときにはメラトニンの分泌を増やすために、「睡眠には食事が影響する?」でお伝えした4つの栄養に加え、以下を摂るように意識しましょう。

  • タンパク質
  • ビタミンB6
  • マグネシウム
  • 複合炭水化物
  • ビタミンB12
  • ビタミンD

複合炭水化物とは全粒穀物やフルーツのことをいい、加工・精白されていない炭水化物のことをいいます。

また、摂取するだけでなく睡眠のために何を減らすかも重要です。

たとえば鉄が不足しているなかで、覚醒作用を促すカフェインを摂ってしまえば、どんどん眠れなくなってしまいます。

ほかにも睡眠の質を妨げるので避けていただきたいものに、以下が挙げられます。

睡眠の質を上げるために避けていただきたいもの

・砂糖
・甘味料
・グルタミン酸(化学調味料)
・アルコール

どれだけいい栄養を摂取しても、減らすべき栄養を摂ってしまえば結果的に睡眠の妨げになります。

睡眠の質を上げる栄養を摂取しつつ、何を避けるかも意識してください。

疲れがとれないとき

疲れがとれないときの原因のひとつには眠りの質の悪さが関係しているので、基本的な食事のポイントは「寝つきが悪い/眠りが浅いとき」と同じです。

積極的に摂取する食材と、避ける食材を意識しながら生活しましょう。

また、リラックス効果のある以下のハーブの摂取もおすすめです。

  • カモミール
  • ラベンダー
  • バレリアンルート


カモミールやラベンダーは、ハーブティーとして飲んでみてください。

お茶専門店やデパ地下などで、よく取り扱っています。

バレリアンルートはハーブティーのほか、手軽に摂取できるサプリメントもあるので試していただけたらと思います。

このほか適度な日光浴や寝る2時間前には入浴を済ませる、といった生活習慣も睡眠の質を上げるには大切なので、意識してみましょう。

睡眠の質に関するよくある質問

最後に、よくある以下2つの質問にお答えしていきます。

Q.日中眠くなってしまいます。睡眠の質は関係ありますか?

Q忙しくて眠れない!睡眠不足になってしまうとき、摂ったほうがいい食事はありますか?

順番に解説します。

Q.日中眠くなってしまいます。睡眠の質は関係ありますか?

関係あります!

睡眠の質の悪さが日中に響いているので、まずは栄養改善をおこなっていきましょう。

また、人によっては「睡眠時無呼吸症候群」の可能性もあるかもしれません。

睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気で、睡眠の質が低下して日中の眠気やだるさなどが起こります。

この場合は専門の病院で見てもらうことが大切なので、受診をおすすめします。

Q忙しくて眠れない!睡眠不足になってしまうとき、摂ったほうがいい食事はありますか?

前提として寝ることが第一ですが、難しいときはカモミールティーやアシュワガンダを摂ってみましょう。

カモミールティーはリラックス効果があるので、疲れている体や心を休めてくれます。

アシュワガンダは日本ではあまり知られていませんが、海外のサプリメントの中ではとても人気があります。

リラックス効果によってストレスをとってくれるので、気持ちが落ち着くでしょう。

ただ、疲れているときはまず睡眠をとって、体を休めてくださいね。

私としては、栄養改善・食事改善は自分の人生を見直すきっかけにしていただきたいと考えています。

大変なことや痛いことなど、生きているとさまざまなことに直面すると思いますが「本当に今、これでいいのか?」と、ときには立ち止まってみてください。

もちろん「今は踏ん張りどころ」というときもあると思いますので、日々の栄養を意識した生活で体を助けていきましょう。

まとめ

今回は、睡眠の質を上げる食べ物についてお伝えしました。

食事から得られる栄養は、睡眠を誘発するホルモンであるメラトニンの合成に関わるため、睡眠の質に大きく影響します。
メラトニンの分泌を増やすためには、タンパク質や鉄・ビタミンB6・マグネシウムを積極的に摂取しましょう。

また睡眠は、質だけでなく時間も大切です。
疲れをしっかりとるためにも、毎日7時間以上は睡眠時間を確保できるといいですね。

ぜひ本記事を参考に睡眠の質を上げて、日々のパフォーマンス力を高めましょう。

WRITER

吉冨 信長(よしとみのぶなが)

1977年生まれ (株)コミディア代表取締役 栄養カウンセラー、分子栄養学セミナー講師、日本脂質栄養学会会員、日本微量元素学会会員

2000年東京理科大学卒業後、SE業界へ。
SE業界を引退後、2007年青果業界へ転職し、2013年から食と栄養に関する健康情報をSNS等で日々発信し、講演会やセミナーではいつも満員となる人気講師に。

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