免疫力が上がる食べ物!免疫力を上げるために日常で取り入れたい食べ物をご紹介
- 2024/3/1
「最近風邪を引きやすい…免疫力が上がる食べ物ってないかな?」
「免疫力ってよく聞くけど、私でも高められるの?もっと健康に気を使いたい!」
不摂生な生活を送ることが多く体調を崩しやすかったり、より健康を意識したりするとき、これまでの食生活の見直しを考える方は多いのではないでしょうか。
この記事では、免疫力を上げる食べ物について、解説します。
日常的に取り入れられる食べ物を紹介しますので、ぜひご覧ください。
健康的な生活に欠かせない「免疫力」を食事で上げる!
健康な生活を送るには、以下のように免疫をいかに調整できるかが「免疫力UP」につながり、食事が大きく関係します。
実は医学において「免疫力」という用語はなく、正しくは「免疫の調整(immune regulation)」といいます。
しかし「免疫の調整」という概念は日本ではあまり浸透していないため、ここでは「免疫力」という用語も合わせて使用しながらわかりやすく解説していきますね。
まず、上記の図のように外敵が来たら体の中で正常な免疫(攻撃や防御)が働き、闘います。
闘い終わったら重症化や長引かせることなく、正常に収束していきます。
ここまでの一連の流れが「免疫」です。
免疫の調整(調節)が正常に働くことが「免疫力を上げる」ことと同じような意味合いをもち、うまくいかなければ重症化したり、症状が長引いたりして風邪を引きやすくなってしまいます。
また、収束できずに闘い続けてしまっても、炎症を鎮めきれなくなってしまい体調を崩します。
炎症と抗炎症がバランスよく働くには食事によるサポートが欠かせず、免疫の調整が正常に働いている状態を維持することが、免疫力を高めるうえで大切です。
免疫力には亜鉛とビタミンD・ビタミンAが大事
免疫力を高めるには、前提として特定の食べ物よりもまず、栄養素を考えることが重要です。
とくに意識して摂っていただきたい栄養素には、免疫の土台となる亜鉛とビタミンD・ビタミンAの3本柱が挙げられます。
さらにこの3つにプラスして、以下のような栄養素を摂っていくと、より免疫力を上げられます。
- プロバイオティクス(または発酵食品)
- ビタミンC
- タンパク質
- マグネシウム
- オメガ3脂肪酸
- ビタミンB群
亜鉛とビタミンD・ビタミンAの摂取を怠れば、土台がしっかりできません。
この場合いくら発酵食品やビタミンCなどを摂ったとしても、免疫力を高めることは難しいので注意しましょう。
では、順番に土台となる3つの栄養素について解説していきます。
亜鉛
亜鉛を多く含む食材がオススメである理由は、私たちにある数多くの免疫細胞すべての活性を高めてくれるからです。
免疫細胞はいわゆる、私たちの体を守ってくれる「ミクロの戦士」のようなイメージですね。
実際亜鉛は以下のように、私たちの体の中において免疫細胞である白血球にもっとも多く含まれています。
また、亜鉛は免疫細胞が外敵と戦うときにばらまく活性酸素によって、正常細胞まで傷つけられないよう酸化ストレスを和らげる役割もあります。
しかし現代の日本人の多くは、理想的な亜鉛の摂取量が12〜15mgであるのに対して、半分程度の8mgほどしか摂れていません。
免疫細胞の活性化と酸化ストレスの緩和作用という2つのうれしい効果をしっかり得るためにも、意識して亜鉛を積極的に摂っていくようにしましょう。
ビタミンD
ビタミンDは免疫の調整を図る食べ物として、摂っていただきたい抜群のビタミンです。
すなわち免疫が下がっているときは高め、暴走していれば鎮めて調整を図ります。
1日2000~4000IUくらいのビタミンDを摂取していただきたいのですが、亜鉛と同じく現代の日本人の摂取量では足りていません。
このことから、実は自己免疫疾患やアレルギー症状が起きることにもつながっているんですね。
ビタミンDを多く含む食材については、次の章「ビタミンD:きのこ」においても触れますが、毎食口にすることが少ないアンコウの肝や干し椎茸などに限られています。
日光浴でもビタミンDは合成できるものの、しみやしわが気になる方も多いでしょうから、サプリメントの摂取も視野に入れてください。
ビタミンA
体の中に入ったビタミンAは免疫細胞を活性化させるほか、IgA抗体を増やす役割も担っています。
1日の摂取量の理想としては、2,300~3,000IUくらい摂れるといいですね。
体の粘膜の表面にあるIgA抗体は、免疫細胞を活性化させる以前の段階において武器となり、病原体を捉えて侵入しないよう防ぐ役割をもちます。
すなわちビタミンAは病原体が侵入しないよう防ぎ、なおかつ体内に入ってきた場合は免疫細胞を活性化させて戦ってくれるのです。
さらにいえばビタミンAは先ほどお伝えした亜鉛とも大きく関わりがあり、栄養学ではセットとして考えられています。
なぜなら通常食べ物に入っているビタミンA「レチノール」は、代謝の過程で亜鉛が関わり、免疫調整をおこなう「レチノイン酸」になるからです。
そのためビタミンAを一生懸命とっても亜鉛が不足していれば「レチノイン酸」になれず、免疫が動けません。
ビタミンAを摂るときは亜鉛もセットで摂取するよう意識して、免疫機能を高めていきましょう。
免疫力を上げる食べ物
ここからは実際に免疫力を上げるために必要な、免疫の活性化や収束につながる栄養素を含む食べ物についてお伝えしていきます。
まず免疫の土台となる3つの栄養素「亜鉛とビタミンD・ビタミンA」を含む食べ物、そしてプラスαで摂っていただきたい栄養素の中から「発酵食品」をピックアップしましたので、以下4つを見ていきましょう。
- 亜鉛:牡蠣(食べられない方ならナッツや全粒穀物などでも!)
- ビタミンD:きのこ
- ビタミンA:にんじん
- プラスα:発酵食品
免疫が弱いと外敵を倒すのに時間がかかり、その分症状も長引いて正常組織にも炎症が広がってしまいます。
しかし免疫が強ければすぐに外敵を倒せ、抗炎症もきちんと働けば迅速に収束を迎えられるため、結果的に無症状または軽症ですみます。
免疫を高めるには必要な栄養を摂ることが大切であることから、これから紹介する食べ物をぜひ積極的に食べていきましょう。
ビタミンD:きのこ
ビタミンDが豊富なきのこには、食物繊維の一種であるβ-グルカンも含まれるので、免疫力を上げたいとお考えならぜひ積極的に摂ってください。
β-グルカンは免疫を活性化してくれ、オススメのきのこにはマイタケやシイタケ・ハナビラタケなどが挙げられます。
ただしこれらに限らず、きのこにはそれぞれ特徴があるので、さまざまな種類を毎日ローテーションで摂っていきましょう。
また以下の表にはきのこのほかにビタミンDを多く含む食材をまとめましたので、参考にしてください。
ビタミンDを多く含む食材 |
アンコウの肝、干し椎茸、干しキクラゲ、レバー、卵 |
ビタミンA:にんじん
β-カロテン(ビタミンAの前駆体)が豊富なにんじんは、食物繊維の一種であるペクチンを含むこともオススメの理由です。
昔からにんじんは、免疫力を上げるというイメージの強い食材ですよね。
最近の新しい研究では、にんじんに含まれるペクチンが免疫を強めることがわかっています。
風邪の原因ウィルスに感染したときに免疫を活性化させ、インターフェロンというウィルスと闘う武器の効果を強めて、重症化を防いでくれるのです。
ビタミンAとペクチンからなる多方面から免疫の調整をおこなってくれるため、にんじんを積極的に摂っていきましょう。
また、以下の表にはにんじんのほかに、ビタミンAを含む食材についてまとめましたので参考にしてください。
ビタミンAを多く含む食材 |
レバー、うなぎ、あなご、紫蘇、モロヘイヤ、にんじん、パセリ、バジル、あゆ、卵、ほうれん草、春菊、ヨモギ、乳脂肪、だいこん葉、みつば、海苔、抹茶、唐辛子、バター、わかめ |
亜鉛:牡蠣(食べられない方ならナッツや全粒穀物などでも!)
牡蠣には免疫に関わる栄養素である亜鉛が非常に豊富なため、ぜひ摂取していただきたい食材です。
もし牡蠣が食べられない方なら、ナッツや全粒穀物などを摂っていきましょう。
このほか以下に亜鉛を多く含む食材をまとめましたので、参考にしてください。
亜鉛を多く含む食材 |
牡蠣、レバー、煮干し、うなぎ、スルメ、海苔、松の実、ごま、カシューナッツ、アーモンド、くるみ、ピスタチオ、貝類、卵、牛肉、カレー粉(スパイスカレー) |
発酵食品
発酵食品は免疫細胞を活性化させるという報告があるため、免疫力を高められることがわかっています。
とくに発酵食品の中では、味噌がオススメですね。
このほか、ぬか漬けや納豆なども積極的に摂っていただきたい食べ物に挙げられます。
日本人は乳製品が合わないケースがあるため、ヨーグルトは人によると捉えていただいたほうがいいでしょう。
免疫力を下げないために注意したいポイント
ここからは免疫力の低下を招かないよう中止していただきたいポイントを、以下3つお伝えします。
- 睡眠不足
- 過剰なストレス
- 食物繊維の不足
順番に見ていきましょう。
睡眠不足
睡眠不足はストレスに対抗するホルモンであるコルチゾールをぐんと上げて、免疫力を下げてしまいます。
わかりやすくいうならば、コルチゾールはステロイドと同じような働きをもち、免疫を抑制させる働きがあります。
日本人は睡眠時間の短さがとくに顕著であり、女性の場合は先進国においてワースト1です。
免疫力を高めたいと考えるのであれば、睡眠不足にならないように、7時間以上の睡眠をとりましょう。
過剰なストレス
過剰なストレスも睡眠不足と同様にコルチゾールの増加を招き、免疫力を下げてしまいます。
日本人は、良くも悪くも真面目過ぎるところがあります。
しかしストレスによって免疫力を下げてしまっては、体が続きません。
手を抜くところは抜き、「毎回100点でなくとも、70点や60点くらいでやっていこう」という気持ちでいることが、免疫を正常に保つうえで非常に大切です。
食物繊維の不足
免疫の調整がうまく図れなくなるため、食物繊維の不足には注意しなければなりません。
食物繊維は腸内細菌によって発酵され、免疫を活性化させる酪酸がつくられることから、最近注目され始めています。
また食物繊維からつくられる酪酸は免疫を上げたり下げたりして、調整を図る細胞がいることもわかっています
過剰に摂取する必要はありませんが、免疫力を意識するのならば、食物繊維を食事にうまく取り入れながら不足しないよう気をつけましょう。
免疫力を上げるためには腸内環境も意識しよう
免疫力を上げるためには腸内環境を意識していただきたいので、最後は以下2つの項目について解説します。
- 腸と免疫の関係
- 腸内環境にいい食事
順番に見ていきましょう。
腸と免疫の関係
腸と免疫の関係は深く、ここでは以下2つについてお伝えしていきます。
- 免疫の約7割が腸に集結している
- 腸内細菌と免疫は関連している
第一に、腸と免疫の関係を一言でいうならば、「免疫の約7割が腸に集結」しています。
腸は食べ物を吸収する場所なので、外敵が侵入しやすいといえます。
逆にいうなら罠を仕掛けて倒す場所としても最適であることから、免疫は腸に集結しているのです。
そのため栄養のあるいいものを食べることで、腸と関係する免疫の活性化につながります。
また腸内細菌と免疫は、深く関わっています。
腸内細菌のかたまりである腸内細菌叢は、私たちの体にとって異物ですが、免疫によって排除されることはありません。
なぜなら有益であることを理由に、免疫が腸内細菌叢を「残しておこう」と判断しているからです。
さらに腸内細菌叢は免疫に対して「この外敵は残して、あっちは倒すんだ!」「外敵を倒す力はこう」というような教育をしているため、免疫の活性化や調整につながっています。
このほか病原体のような異物が来ても、腸内細菌叢がテリトリーに侵入しないよう、直接倒して排除することもあります。
このように、複数の理由から腸と免疫の関係は大きいといえるでしょう。
腸内環境にいい食事
個体差はありますが、腸内環境にいい食事をするには、以下のような栄養素の摂取や食事内容を意識してください。
- 発酵食品
- 食物繊維
- ビタミンA
- ビタミンD
- 栄養バランスのいい食事
正直にいえば、腸内環境にいい食事については一言ではいいあらわせません。
ただ、これらの栄養素や食事内容を意識することで腸内環境は大きく左右され、結果的に免疫の調整・免疫力UPにつながります。
まとめ
この記事では、免疫力が上がる食べ物を取り上げて解説しました。
外敵がきたら攻撃や防御をして闘い、闘い終えたらすぐに収束するという免疫の正常な流れが、「免疫力」につながります。
免疫力を上げる食べ物には、きのこやにんじん・牡蠣・発酵食品などが挙げられるので、積極的に摂りましょう。
ただしこれらの食品だけを摂っていても、睡眠不足やストレスによって免疫力が下がることもあるので注意が必要です。
腸内環境も免疫力に大きく関係しているため、この記事でお伝えした内容を踏まえて、日頃から何を食べるのか意識してみてください。