子どもの成長を食事でサポート!成長期に必要な栄養素を効率よく取り入れる方法

「最近背が伸びたし、子どもの食欲が増している気がする!成長期にはどんな栄養素を摂る必要があるの?」

「たくさん食べてくれるのはうれしいけど、肥満にならないかしら…?ジャンクフードの食べ過ぎも気になるし、おやつの選び方を知りたい!」

成長期のお子さんをもつ親御さんのなかには、このように普段の食事やおやつにどのような栄養素を取り入れるべきかお悩みの方は多いでしょう。

この記事ではお子さんの成長期に必要な栄養素を、効率的に取り入れる方法についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。

成長期の身体には栄養が大事な理由

「子どもと大人ってそもそもそんなに違うの?成長期だから体が育つことはわかるけど…」

このように感じる方は多いかもしれませんが、子どもはただ体を縮小した小さな大人ではありません。

大人の食事を単純に1/2や1/3にするだけでは、成長期のお子さんに必要な栄養は足りないんですね。

成長期は体格が大きくなるだけでなく、さまざまな代謝が起きていることから多くの栄養を必要とします。

子どもの体では細胞の分裂・増殖が頻繁におこなわれており、糖質代謝が活発なため、糖分をとくに必要とします。

だからといって甘いものをどんどんあげれば、虫歯の原因や栄養状態の悪化を招くので、食事の質が非常に大切です。

またお菓子には添加物が多く、着色料が発達障害の原因になることもわかっています。

ただ子どもは超加工食品が好きですし、子ども同士の社会性もあることから、すべてを制限することはできません。

家でできることとして、日常的な食事のなかで必要な栄養を摂れるよう、できる範囲で意識することが大切です。

とくに成長期のお子さんに必要な栄養素

ここからは成長期のお子さんに必要な栄養素を、厳選して以下3つお伝えします。

  • 鉄分
  • タンパク質
  • ビタミンD・ビタミンA

順番に見ていきましょう。

鉄分

鉄分はエネルギーや体の組織をつくることから、成長期に多く必要とされる栄養素です。

一方、多くの日本人に不足しがちな栄養素でもあるので、意識してしっかり鉄を摂りましょう。

鉄分が不足すると、たとえばキレやすくなったり多動が見られたり、うつっぽくなるといった情動の変化が見られることがあります。

見た目の変化でいえば、青あざや爪がやわらかくなる・髪が細くなるなどが挙げられます。

これらの症状を招かないためにも、鉄分が多く含まれるお肉やお魚・全粒穀物・葉物野菜などの食材を摂りましょう。

また、基本的に動物性食品のほうが吸収はよく、とくにお魚はお肉と同等かそれ以上に含まれているので、積極的に摂っていただきたい食材です。

お魚は白身魚や青魚などどのような種類でもよく、入手しやすさを考慮するのであれば、臭みの少ないサバ缶がオススメです。

タンパク質

体をつくる材料となるタンパク質は、成長期に欠かせません。

タンパク質は骨をつくるときに必要な栄養素であり、足りているように感じても、足りていないことが多々あります。

「骨をつくる」といえば、カルシウムが頭に浮かぶ方は多いでしょう。

実は、骨の構造を鉄筋コンクリートの建物にたとえると、鉄筋の部分がコラーゲン(つまりタンパク質)であり、コンクリート(セメント)の部分がカルシウム、というようなイメージになります。

そのため骨の形成に密接に関わるタンパク質が不足すると、骨がスカスカになるので注意が必要です。

このほか脳みそや筋肉・神経など体のすべてにタンパク質は関わっており、足りなければ集中力にも大きく影響するため、意識して摂るようにしてください。

タンパク質を多く含む食材には卵やお肉・お魚・豆類などが挙げられ、動物性タンパク質と一緒に植物性タンパク質を摂ることが大切です。

お肉や魚などの動物性タンパク質と、植物性タンパク質である豆類を1:1、もしくは2:0の割合で摂ると、筋肉合成がより高まることが研究からわかっています。

日々の食事ではメインにお肉を用意したら、冷や奴や納豆をプラスしたり、味噌汁を添えたりして工夫するといいでしょう。

ビタミンD・ビタミンA

ビタミンDとビタミンAは、子どもの成長に関わる成長ホルモンの分泌を促してくれます。

成長ホルモンはただ単に背を伸ばすのではなく、正常な骨や体の臓器・組織をつくるほか、代謝に関わっています。

ビタミンDとビタミンAを多く含む食材は、以下を参考にしてください。

オススメの食材

ビタミンD ビタミンA

レバー

干し椎茸

キクラゲ

アンコウの肝

レバー

うなぎ

にんじん

葉物野菜

また、栄養面だけでなく、睡眠や運動も成長ホルモンの分泌を促すうえで大切です。

「食べる・寝る・運動する」という3つのポイントを押さえて成長ホルモンの分泌を促し、成長期のお子さんの生活をサポートしていきましょう。

成長期にオススメな1日のメニュー

ここからは成長期にオススメする一日のメニューを、朝~夜まで以下のとおり解説していきます。

  • 朝は卵・大豆食品を中心に
  • 昼食は肉・魚・野菜!おかずをしっかりと
  • 夕食は早い時間を意識!栄養を満遍なく     

順番に見ていきましょう。

朝は卵・大豆食品を中心に

朝はまず卵がオススメ!

もしアレルギーをおもちの方でしたら、肉や魚を摂れると理想的です。

あとは、大豆食品を合わせていただけるとなお良いです。

これらの食材にプラスαで、フルーツや野菜を摂っていきましょう。

昼食は肉・魚・野菜!おかずをしっかりと

昼食は麺類・丼物に頼りがちになってしまいますが、だからこそおかずを摂ることを意識してください。

昼食でも肉や魚・野菜の摂取が大切であり、夕飯をお昼に食べるようなイメージがいいですね。

もちろん難しいときもあるので、小鉢やトッピングに野菜を添えるなど心がけてみましょう。

夕食は早い時間を意識!栄養を満遍なく

夕食は何を食べるのかも大切ですが、時間帯を意識して、18~19時くらいの早めの時間に食べるようにしていただきたいですね。

理由は、食べたものをしっかり消化できるので体の負担を減らせるほか、間食を防げるからです。

ここを押さえたうえで、ご飯やスープ・主菜のタンパク源に副菜の野菜など、バランスよく摂っていきましょう。

副菜はおひたしやサラダなど、何でもかまいません。

また、ついお子さんに苦手な食材があると頑張って食べさせたくなりますが、強制すると苦手意識を引きずってしまうこともあるので注意しましょう。

子どもは味覚が鋭いので、苦みがあるとより強く感じることもあります。

苦手な食材はお子さんがいずれ食べられるようになるまで待ってみたり、「一口だけ食べよう」というくらいの声かけにとどめたりしておくといいかもしれません。

成長期にオススメのおやつ

成長期にオススメのおやつとして、今回はフルーツとスルメを紹介します。

フルーツ

健康面やメンタル面を踏まえ、成長期のお子さんにはおやつはもちろん、食後のデザートなどでフルーツを積極的に食べさせてあげましょう。

実は子どものフルーツ不足と腎機能低下は、関連が深いことがわかっています。

腎機能の低下が起こるとむくみや疲労感が出るほか、体に必要のない老廃物を出せないなど、さまざまな影響があるので注意が必要です。

またフルーツをよく摂取している子どもは、幸福度が高いとの報告もあります。

柑橘類やいちご・スイカ・ぶどうなど、季節のフルーツを積極的に取り入れましょう。

スルメ

スルメはタンパク源となり、タウリンやカルシウムなど栄養が豊富かつ凝縮されていることから、成長期にオススメのおやつです。

また噛み応えがあることから、噛む力も育てられます。

なかには塩分を気にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、スルメは大量に食べられるものではなく、カリウムも多く含まれています。

摂取した塩分は排出されて相殺されることから、大きな心配をする必要はないでしょう。

成長期の食事に関するよくある質問

最後は、成長期の食事に関するよくある質問にお答えしていきます。

成長期の食べ盛りとはいえ、子どもの食べ過ぎが心配です。

肉や野菜・米など、加工度の低い食材そのものの食べ過ぎは、まったく問題ありません。

食べ過ぎに注意すべき食べ物は、ジュースやジャンクフード・お菓子など、加工度の高い超加工食品です。

超加工食品は加工度の低い食材と違い、体にいい影響を与えないだけでなく、満腹中枢が壊れてしまいます。

加工度の低い食材を使った食事はきちんと満腹中枢がきき、お子さんがおなかいっぱいに食べても心配はいらないので、安心してください。

子どもにサプリメントを飲ませても大丈夫ですか?

はい!むしろサプリメントはオススメです。

栄養カウンセラーとして多くの子どもたちを見てきたなかで、基本的にサプリによって何か起こることは、極端なことをしない限りは、そうないです。

(注意することとしては、極端に多い鉄を補給して起こってしまう、鉄過剰があります。)

逆に調子がよくなる方がほとんどなので、安心してください。

サプリメントは多くのメーカーがあるので、はじめは子ども用のサプリメントを選んでみましょう。ただし添加物の量が多いサプリメントもあるので、チェックが必要です。

サプリメントの導入やお試しとしてオススメするのは、ビタミンDとビタミンAが豊富な肝油ドロップです。

このほか推奨できるサプリメントにはビタミンB群や亜鉛・鉄分などがありますので、栄養に詳しい医師や栄養カウンセラーに相談しながら、お子さんの状況に合わせて取り入れてみてください。

※特に、鉄サプリメントの補給は、腸内環境や鉄の数値によって、投与量や鉄の種類が変わってくることがありますので、専門家に要相談です。

まとめ

今回は、成長期のお子さんに必要な栄養素を、効率的に取り入れる方法についてお伝えしました。

成長期の子どもの体は、単純に大人とサイズが違うだけではなく、代謝が頻繁におこなわれています。

鉄分やタンパク質・ビタミンA・ビタミンDなどの栄養素は、エネルギーや骨をつくり、成長ホルモンの分泌を促すので、成長期のお子さんに欠かせません。

また、おやつにもジャンクフードのような超加工食品を選ぶのではなく、フルーツやスルメなどを積極的に選ぶといいでしょう。

ぜひこの記事を参考に、成長期に必要な栄養素を考えた食事を取り入れてみてください。

WRITER

吉冨 信長(よしとみのぶなが)

1977年生まれ (株)コミディア代表取締役 栄養カウンセラー、分子栄養学セミナー講師、日本脂質栄養学会会員、日本微量元素学会会員

2000年東京理科大学卒業後、SE業界へ。
SE業界を引退後、2007年青果業界へ転職し、2013年から食と栄養に関する健康情報をSNS等で日々発信し、講演会やセミナーではいつも満員となる人気講師に。

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